Sunday, October 1, 2017

「すべての人は、罪を犯したので….」



ある時、一人の泥棒が捕えられ、王の前に引き出されて死刑の宣告を受けた。すると彼はふところから一枚の金貨を取り出し、「王様、実はこの金貨は、一度も悪いことをしたことのない人が土に埋めると、金のなる木がはえるのです。ところが、ところが、私は悪いことばかりして、とうとう植えることができませんでした。王様なら罪はないでしょう。これを一つお植えになって見て下さい。」

王は身震いをはじめた。そしてすぐ総理大臣を呼んで命じた。「お前は本当に忠義な部下だ。お前が植えるのがよかろう。わしは今まで、殺さなくてもよい人を殺したり、取らなくてもよい国を取ったり、考えてみれば悪いことばかりしてきた。」「ちょっと王様、お待ち下さい。私もあなたと一緒になって同じようなことをして来ました。また、数多くの人々から税金を余分に取りたてていました。私もだめなのです。」

次の呼ばれたのは警視総監であった。「お前は人をさばく役柄、まちがいなかろう。うえてくれないか。」「おゆるしゅください。私も人をいじめたり、不正なさばきをいたしました。ゼウスの神主なら神に使えているから、間違いないでしょう。」

ゼウスの宮の神主が呼ばれて来た。彼も王の前に出ると青い顔をして、おそるおそるいった。「私はよく採金をごまかしたのです。」

その話しを一部始終なわにくくられたまま聞いていたかの泥棒は、大笑いしていった。「みなさん、私と一緒に死刑になったらどうでしょう。」

「多かれ、少なかれ、私たちは、罪を犯して来た。」ルキウス・アンナエウス・セネカ

「すべての人は、罪を犯したので、神からの栄誉を受けることができず、ただ、神の恵みにより、キリスト・イエスによる贖いのゆえに、価なしに義と認められるのです。」聖書・ローマ3:23−24

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